概要
私たち日本語プロジェクトは、「日本が好き」という共通点を持ったメンバーが興味に合わせたフィールドを探し、日本語・日本文化を通じた交流ができるよう活動を行っています。MISJ という日本語教授方法の習得をしつつ、現段階ではSFC学内の大学院生への日本語授業を行っています。
理念
日本語、日本文化を切り口に、国籍や民族などの異なる人々が互いの文化的違いを認めあい、対等な関係を築こうとしながら、地域社会の構成員として共に生きていくことです。
変遷
私たち日本語プロジェクトは、2012 年にコンゴ民主共和国の方々の日本をもっと知りたい・日本語をもっと学びたいという声をもとに発足し、現地で活動してきました。その後、日本国内においても第二言語としての日本語教育が必要とされていることから、独立プロジェクトとして国内での活動を開始。2013 年には、在日コンゴ民主共和国大使館での大使・大使館関係者へ向けた日本語ワークショップ・文化紹介を展開し、2014年からは SFC の留学生へも対象を広げ、日本語教育を軸とした文化交流を広めています。また、春・夏にはコンゴ民主共和国への渡航において現地のコンゴ人日本語教師との交流もはかり、国内外問わず異文化理解を深めるための活動を展開しています。
最近の活動&目標
昨年からの活動としてSFCの大学院生に対する日本語授業と NPO 法人鎌倉ユネスコと行った留学生交流会の他に、日本語プロジェクト発足の地であるコンゴ民主共和国の中学校において、日本語授業を導入する試みも始めました。私たちが習得している MISJ を踏襲し、子供向けの語彙の導入やアクティビティの追加をし、子供向けの教材開発をします。この夏はその前段階として、ひらがなに初めて触れるこどもでも楽しめるような「ひらがなカード」を作成しゲームの考案をしました。また、導入の一貫として日本文化である遊びを使ったビデオ教材作成なども引き続き取り組んでいく予定です。
MISJ
MISJとは、費用対効果、効率性、確実性を重視した画期的な日本語教授法、日本語教師養成法です。英語を媒介言語として知的な会話力とその土台となる基礎文法力を短期間で確実に習得することができます。MISJ を利用することで、最短4ヶ月であれば OJT(on the job training: 新たに入社した新人が、職場において上司や先輩などから、実際の職務を通じたトレーニング、教育を受けること ) を日本語で受けられるようになります。また、最短3ヶ月で教師育成が可能なため、今後ますます需要の増加が見込まれる日本語教育の分野および日本語の普及に大きく貢献すると期待されています。日本語プロジェクトメンバーは MISJ を習得しつつ、大学院の学生に対し、授業の実践を行っています。
MISJの教授法
(1)まず、基礎文法は知性を感じさせる会話力を身に付けるために必要なツールであるとの考えに基づき、すべての授業は、文法説明→文化的背景の説明→パターン、そして標準的な単語を用いた口頭練習→実際の会話、という過程を繰り返すという構成が挙げられます。文法が論理的且つ段階的に紹介されるので学習に無理がない為、1レッスンごとに会話力・作文力の向上が実感できるという特徴があります。
(2)ローマ字を段階的にカナ文字に変換していく「虫食いメソッド」と名付けられた教授法を用いることで、文字学習の負担の大幅軽減を実現すると同時に発音も体系的に学べるように設計されています。
(3) 文法・会話・文字の読み書き・日本語を使う上で必要な日本文化を、総合的に学ぶことができます。
活動例
私たちはこの夏、コンゴ民主共和国のACADEX 中学校における日本語教育の導入としてひらがなカードの作成を行いました。表面には絵が、裏面にはひらがなの形、発音、フランス語での意味が書いてあります。この教材を通じてひらがなの文字と発音の合致、伝承文化であるかるたを通じて日本を知ってもらうという狙いがありました。
今回の渡航では中学校で使用する機会が無かったのですが、今後は現地の大学生から中学生にあう言葉選びや使い勝手に関するフィードバックを頂きながら改良していく予定です。